放っておくと実は危険なむし歯
出来てしまったむし歯を放置しておくと、一体どんなことが起こるでしょう?
- 激痛
むし歯は初期段階ではほとんど痛みがありませんが、進行していくにつれて徐々に冷たいもの・熱いものが染みるなどの症状が現れてきます。(C2程度)
更に放置し続けると食べ物を噛んだだけで痛んだり、何もしなくても痛み始め、最終的には痛みは激しさを増し、夜寝付けないほど激しく痛む場合もあります。(C3からC4) - 噛み合わせや顎の関節に影響
むし歯によって歯が欠けてしまうと、噛み合わせのバランスが崩れ、歯並びが悪くなったり、顎の関節に異常が起こってしまうことも。 - 歯の寿命が縮まる
むし歯が進行して歯の神経に達してしまうと、やがて神経は死んでしまい歯に栄養も届かなくなり、歯の寿命は一気に縮むことになります。 - 口臭の原因に
歯ブラシでは届きにくいむし歯の穴に詰まった食べカスがガスを発生させるため、強い口臭の原因になります。 - 歯は全身に影響する
むし歯が進行し根の奥の方まで到達すると、血管の中に虫歯菌が入り込み、血流によって鼻や付近の骨までも広がっていきます。
虫歯菌が副鼻腔に感染すると副鼻腔炎に。顎の骨に感染すれば骨髄炎を引き起こすこともあります。骨髄炎は悪化すると顎の骨の形が変形してしまうなど恐ろしい症状が起こることも。
実は命の危険もある「むし歯」
稀なケースですが、海外では虫歯菌による敗血症での死亡例もあります。日本ではこのようなケースはありませんが、免疫力の低いお子さんや、高齢の方は特に注意しましょう。
「たかがむし歯」は危険
むし歯は効果的な予防・治療が可能です。
また、早い段階での治療なら痛みも少なく、費用や体への負担も少なく済みます。
「もしかしたらむし歯かな?」と思ったらお気軽にご来院ください。
今のむし歯の状態は?
むし歯は進行の度合いや発生場所によって症状に違いがあり、進行が浅い順に「C0」「C1」「C2」「C3」「C4」と呼ばれます。
歯と歯の間や奥歯の溝など、エナメル質のミネラル成分が溶けてしまい(脱灰)、歯に穴は空いていないものの白く濁って見えたり、茶色く変色してしまう状態が「C0」の状態。
C0の状態ならフッ素使い再石灰化を促進させることで健康な歯を取り戻すことも出来ますが、治療せず放置してしまうと更に脱灰が進み、エナメル質に穴が空いてしまう「C1」段階まで進行します。
C1から更に象牙質までむし歯が進行すると冷たい・熱い食べ物が歯に染みるようになります。この段階が「C2」です。
ここから更に進行するとついに歯髄神経まで達するむし歯「C3」となります。ここまで来ると激しい痛み出てきます。
そして「C4」にまで進行してしまうと、歯髄神経が死んでしまいます。神経が死んでしまったため痛みを感じなくなる場合もありますが、歯根の先に膿が溜まってしまった場合には激しい痛みを生じる場合もあります。C4にまでなってしまうと、歯を残すことは難しいため、歯を抜くしかなくなってしまいます。
また、大人になると「歯根むし歯」が出来ることもあります。
歯周病や加齢によって歯肉が下がることで、エナメル質で覆われていないセメント質や象牙質がむき出しになってしまい、そこからむし歯になります。
セメント質や象牙質はエナメル質に比べて酸に弱いため、歯根部分にプラーク(歯垢)が付着した状態でいると簡単にむし歯になってしまうのです。
C0やC1など軽度のむし歯や歯根むし歯の場合は痛みを感じないことも少なくありません。そのため、痛みはなくても定期的に歯科医院で歯科検診を行い、歯の状態を確認することが大切です。
C0:初期むし歯

歯の状態
歯の表面につやがなくなり、白く濁って見える。薄い茶色に見える。
痛みや症状
痛み、自覚症状はほとんどない。
C1:エナメル質のむし歯

歯の状態
エナメル質(歯の表面)に穴が空いた状態。
痛みや症状
この段階でも痛み、自覚症状はほとんどない場合が多い。
C2:象牙質まで進んだむし歯

歯の状態
エナメル質から更に象牙質まで進み、むし歯が歯の内部まで進んだ状態。
痛みや症状
冷たい・熱い食べ物がしみる場合がある。
C3:歯髄まで進んだむし歯

歯の状態
むし歯が神経にまで達してしまった状態。
痛みや症状
激痛が起こる場合が多い。放置すると神経が死んでしまい、痛みを感じなくなることも。
C4:歯根だけ残ったむし歯

歯の状態
歯肉から上の部分がほとんど崩壊してしまい、残っているのは歯根だけの状態。
痛みや症状
神経が死んでしまい痛みを感じなくなることもありますが、歯根の先に膿が溜まると激しい痛みを引き起こす場合もあります。
むし歯の状態別治療方法について
むし歯の治療法はむし歯進行度合いによって異なります。
むし歯が進行すればするほど治療も大掛かりになったり、歯を失う可能性も高くなります。そのためむし歯はなるべく早いうちから治療していくことが大切です。
C0のむし歯の治療方法
C0の段階であればフッ素を使った治療などで再石灰化を促進させ、健康な歯に戻すことも可能です。
C1のむし歯の治療方法
歯を削り、金属やコンポジットレジン(合成樹脂)など詰め物を詰めて治療します。
C2のむし歯の治療方法
むし歯の範囲が大きい場合、歯を削ってから金属やコンポジットレジンなどの被せ物を歯に被せて保護します。
C3のむし歯の治療方法
むし歯が歯の神経まで達してしまうと、歯の神経を抜く治療を行う必要があります。神経を抜いた後は土台を立て、被せ物で保護します。
C4のむし歯の治療方法
放置すると骨や全身に悪影響が及ぶ危険もあります。歯を残す治療は難しく、基本的には歯を抜く必要があります。
入れ歯やブリッジ、インプラント治療など失った歯に代わる補綴治療を行います。
当院での『痛みの少ない』むし歯治療とは
三段階式無痛麻酔
当院では「歯科医院が怖い」「痛いのは苦手」など、患者様から寄せられた多くの声に注目。リラックスして治療していただけるよう、三段階の無痛麻酔を行っています。
通常の麻酔法(電動注射器だけの麻酔や、表面麻酔だけを使っての麻酔)ではどうしても痛みを感じるという患者様にも限りなく痛みを少なくすることが可能です。
「通常の治療と何が違うの?」
その秘密をこれからご説明いたします。そもそも、麻酔をする時に感じる痛みは2つ。
- 麻酔のための針を刺す痛み
- 麻酔液を注入する痛み
②の麻酔液を注入する痛みに関しては、電動注射器が登場により圧力をコントロールする事で痛みはかなり低減する事ができるようになっています。
しかし、①の針を指した時の痛みに関しては従来の表面麻酔ではどうしても完全に痛みをなくすことは出来ずにいました。
なんとかしてもっと限りなく痛みをゼロに出来る方法はないだろうか…
そしてついに発見した方法が「無針注射器(シリジェット)」を使用です。
無針注射器(シリジェット)は蚊の針と同じ直径の穴から麻酔液を噴射し、粘膜を貫通するというもの。
蚊に刺されて気づかないのは厄介ですが、歯科医院での麻酔がまるで蚊に刺された時のように気づかないうちに済んでしまうなんて、これほどいい事はありません。
しっかり表面麻酔をした後、無針注射器(シリジェット)を使用、そして電動注射器で圧力をコントロールしながら麻酔…という方法を行ったところ、患者様のほとんどに「全く痛くない!」もしくは「ほとんど痛くない!」と言っていただくことが出来ました。
当院では治療の際、「三段階式無痛麻酔」と名付けたこの三段階のステップを踏んだ麻酔法を必ず使用。患者様が今まで以上に安心して、快適な歯科治療が行えるように日夜努力しております。
今までの歯科治療では痛い想いをしたという患者様も、ぜひ一度当院にご来院ください。
患者様の素敵な笑顔のお手伝いをさせていただきます。
根管治療
根管治療とは、むし歯が神経まで達してしまった歯でもなるべく歯を抜かずに残すための治療法です。むし歯が神経まで達してしまった場合、放置すると抜歯のリスクが高まりますが、そういった症状の場合でもできるだけ歯を抜かずに残していくことを考えます。
根管治療ではまず、歯の神経を取り除き、虫歯菌を取り除くため歯根を洗浄・殺菌。そして被せ物を被せて保護します。
根管治療は建物で言えば基礎の部分。せっかく高価な被せ物で修復しても、根管治療がきちんとされていないと歯の根が化膿してしまい痛みが出て再治療しなければいけなくなったり、最悪の場合は歯を失ってしまうことになります。そうなってしまうことを防ぐためにも、根管治療はとても重要な治療なのです。
根管治療が必要なケース
- 抜歯せず、自分の歯で噛み続けたい
- 何度も治療したくない
- 神経を抜いたため二度と悪くならないようにしたい
- 高い被せ物をしたのではずしたくない
- 疲れたとき、歯が痛くなる
- 歯茎が腫れる
- 最良の治療を受けたい
根の治療について
- 歯の上から穴を空けます。
- 神経に達したら針の先に刃物が付いた器具(リーマー、ファイルと呼ばれる)で根の内側の壁の汚染されている部分を削って除去していきます。
- 汚染部分が削れたら、細菌を溶かす薬剤などを使って洗浄・殺菌します。
- 根の内側がキレイになったら消毒薬を歯の根に詰め、無菌状態に近くなるまで何度も消毒を繰り返します。
- 無菌状態に近くなったら根の中の空洞部分に歯科治療用の体にないゴム状の物(ガッタパーチャ)を詰め、空洞を埋めます。